| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

【映画】容疑者Xの献身

x.jpg
顔を潰され指を焼かれるという残忍な殺人事件が発生。内海刑事(柴咲コウ)はいつものように天才物理学者で通称「ガリレオ」の湯川(福山雅治)に助けを求める。湯川は、被害者の元妻の隣に住む大学時代の友人で天才数学者の石神(堤真一)が事件の裏にいるのではないかと推理する……。


x2.jpg
人気テレビドラマ「ガリレオ」の劇場版ですが、テレビを見ていない私にもすごく楽しめました。原作である直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」はもちろん読んでいますが、その重厚で秀逸な原作どおりの作品に仕上がっています。

冒頭の湯川と内海のボケとツッコミのような軽い会話も、ドラマファンにも受け入れられるだろうし、テレビを見ていない人にも、このシーンだけで二人の関係性がすぐに分かるようになっている、よくできた演出です。


x4.jpg
物語は、華のある福山雅治と柴咲コウ、演技力のある堤真一と松雪泰子。この2本の軸が巧みに交錯して進行していきます。湯川が唯一天才と認める人物の行動を推理する形なので、事件のトリックの謎を解くような推理ドラマではなく、人間ドラマとして見るべき作品です。

ストーリーに仕込まれた事件の動機の愛と感動を、堤真一の演技がさらに高めています。ただなぜ石神が人生に絶望しているのか、それを示すエピソードがあってもよかったのではないでしょうか。


評価:★★★★(最高は★5つ)


バッハ:音楽の捧げもの
728.jpg
有田正広(フラウト・トラヴェルソ)寺神戸亮(バロック・ヴァイオリン)若松夏美(バロック・ヴァイオリン、バロック・ヴィオラ)中野哲也(ヴィオラ・ダ・ガンバ)有田千代子(チェンバロ)
寺神戸のバロックヴァイオリンが全体にアクセントを与え、引き締まった名演になっています。こういう入魂の演奏を聞いてバッハを楽しめるのは、まさに幸せです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/130728

| 2008映画レビュー | 19:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

【映画】イキガミ

01_large_20081003152648.jpg
1000人に1人の確率で若者の命を奪う「国家繁栄維持法」が存在する世界では、国民の生命価値を高めることで社会の生産性を向上できると信じられている。政府より発行される死亡予告証は通称「逝紙(イキガミ)」と呼ばれ、それを受け取った者は24時間以内に死ぬ。厚生保険省の国家公務員である藤本(松田翔太)はイキガミの配達職務を名誉ある仕事として遂行しようとするが……。


08_large.jpg
作品は3つのエピソードからなっていて、それぞれ3人の若者がイキガミを受取ってからタイムリミットまでに何をするか?という感動のドラマが描かれています。やや感動したのは、最初のストリートミュージシャンがテレビの音楽番組の生放送で、自分の思い出の曲を歌うシーン。それを見守る母親や元相方の姿に泣かされます。

そもそも、イキガミを配達する藤本も、「国家繁栄維持法案」なんている、あの「バトルロワイアル法」にも匹敵するぐらいバカげた法律に疑問を抱いているのですが、結局は何もできずに淡々と終わってしまうのが、ちょと残念でした。


評価:★★(最高は★5つ)


今日のCD
617.jpg
バッハ:ブランデンブルク協奏曲
ラ・プティット・バンド
楽器の特性からくる豊かな音彩を、聴きこむほどに味わいが増してくるような演奏を展開します。穏やかな調和に重きをおいたアルバムです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2598617

| 2008映画レビュー | 19:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

【映画】トウキョウソナタ

tokyo.jpg
突然会社をリストラされた佐々木(香川照之)は、威厳を保つため妻の恵(小泉今日子)や息子たちに打ち明けられず出勤するフリをしてハローワークに通う日々。長男の貴はバイトで毎日朝帰り。しかも米軍に入隊しようとしている。小学6年生の次男・健二は父に反対されているピアノをこっそり習っている。恵も専業主婦のとして家事を頑張るが、家族の反応が薄く、心にぽっかりと穴が開いてしまっている。


sub2_large.jpg
ごくごく普通に生活していたのに、いつの間にかちぐはぐな関係になってしまった家族を見事に描いた作品です。
リストラされて職が見つからず、ボランティアの炊き出しや図書館で時間をつぶす佐々木の姿が哀れです。家族に心配かけたくないという思いよりも、現実を直視できないのが本音でしょう。やり場のない気持ちを持てあます佐々木の姿がとてもリアルに感じます。

しかし家族の前では父親の権威だけは失いたくない佐々木は、健二がだまってピアノを習っていたことに腹を立てて暴力をふるってしまう。何とかバランスを保っていた家族が完全に崩壊してしまいます。


tl.jpg
しかし、いろんな困を乗り越えたあとに、過去を振り返えり「いろいろあったけど、みんなで協力してがんばったなー」と思えたりするのが家族の幸せではないでしょうか。
このどこにでもいるような家族も、ある出来事をきっかけに、再び絆を取り戻していきます。その過程は省略されていますが、ラストで音楽中学を受験する健二が入学試験で演奏するドビュッシーの「月の光」のすばらしい演奏が、はっきりと強い意思を持った家族の希望を示しています。


評価:★★★★★(最高は★5つ)


今日のCD
483_20081003152326.jpg
バッハ:ブランデンブルク協奏曲
トレヴァー・ピノック(指)ヨーロピアン・ブランデンバーグ・アンサンブル
聴いていて、心地よい風が吹いてくるかのような印象を持ちました。確かに正攻法的な演奏ではありますが、清々としたアンサンブルで好感が持てます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2639483

| 2008映画レビュー | 19:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

【映画】ウォンテッド

A5A6A5A9A5F3A5C6A5C3A5C9.jpg
冴さえない日常を送っていたウェスリーの前に突然現れた、謎の暗殺組織「フラタニティ」の一員という美女フォックス。彼女によれば、組織の優秀な暗殺者だったウェスリーの父が裏切り者に殺され、その魔の手がウェスリーにも迫っているという。厳しい訓練の後に暗殺術を極め、父の仇であるクロスという殺し屋を追う。


02_large.jpg
まず目を見張るのがマンガ的アイデア満載のユニークな映像の数々。カーブして曲がる銃弾、アクロバティックなカーチェイス、クローズアップでとらえられた工芸品のような弾丸など、見ていておもしろいシーンが満載です。リアリティとファンタジーの中間を行くようなアクション・コンセプトで、映像にのめりこんでいきます。


後半にはウェスリーの意外な秘密を用意し、さらに過激なアクションが観客を待ち受けます。ターゲットは「運命のはたおり機」が教えてくれるという、暗殺の中核をなす部分が、なんだか納得できませんでした。視覚的な表現術では非常に洗練されていただけに、ストーリーをもう少しきちんと練りこんでほしかったと思います。しかしダイジョウブ。そんな不満はラストの決意の弾丸が打ち砕いてくれます。


評価:★★★(最高は★5つ)


今日のCD
276.jpg

921.jpg
ico_top_0100.gif
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
久保田巧
真面目でひたむきに感情を押しとどめ、この曲が持つ神聖さ、普遍性を追求するかのような演奏です。バッハへの深い愛というか、神への深い祈りといったものが感じられるアルバムです。音色、響きの美しさも格別です。いつまでもこの音楽を聴いていたいと、心底思います。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1812276
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1969921

| 2008映画レビュー | 21:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

【映画】闇の子供たち

05_large_20080929130728.jpg
バンコク駐在新聞記者の南部は、日本人の少年がタイで心臓移植手術を受けるという情報を入手する。調査を進めていくうちにドナーは脳死者ではなく健康な子供であると知り、ブローカー組織の実態を暴こうとカメラマンとともに張り込みを始める。


04_large.jpg
幼児の人身売買、売春というショッキングな真実を描いたノンフィクション映画です。闇社会の現実を世に暴くことで、子供たちを救おうとするジャーナリストと、目の前にいる一人の子供を守ろうと命を張るボランティアの少女。この二人視点からやりきれない事実を描いています。


全体的にはいい映画だと思うのですが、満足するほどではないです。売られる子供の親の立場というものを、もう少し描くべきではなかったでしょうか。もちろん、日本の映画ですから日本視点が強くなるのもわかりますが、いろいろな角度で物事を見たほうがいいと思います。
ラストの解決方法の強引さと付け足したような余韻の悪さは、日本人には問題提起はできても根本的な解決はできないといった感じがひしひしと伝わってくるようでした。


評価:★★(最高は★5つ)

今日のCD
079_20080929130843.jpg
ico_top_0100.gif
ビーバー:ヴァイオリンソナタ集
寺神戸亮(vn)、シーベ・ヘンストラ(hc,og)、上村かおり(vg)
ヴァイオリンの演奏技巧と表現の可能性を大きく広げた17世紀の名匠ビーバーの魅力を凝縮して十全に伝える名盤です。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1783461

| 2008映画レビュー | 18:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT